仙台・宮城の中小企業診断士 / 経営コンサルタント 合同会社ジェイドキャット 代表社員 細野哲平ブログ

東北地方の中小企業経営者が会社を経営していくうえで
役立つであろう内容を中心にお届けしていきます。

補助金に通りやすい事業を考えるヒント

2017年7月21日
先日、創業補助金の採択結果が発表されました。
http://www.tohoku.meti.go.jp/s_shinki/topics/170718.html
 
昨年からかなりハードルが上がった印象がある創業補助金ですが、今年度は応募739件(うち東北37件)のうち採択が109件(うち東北10件)とのこと。
採択率としては、全国14.7%(東北27.0%)と、持続化補助金やものづくり補助金と比べても採択率は低めです。
 
 
創業補助金に限った話ではありませんが、こういった補助金には採択されやすい事業と、そうでない事業があります。
 
採択されやすい事業を考えるためのヒントとしては、1つは公募要領、特に補助金の趣旨や目的といったあたりをよく読み、それに沿った事業内容にすることです。
 
そしてもう1つは、過去の採択者のリストを見て、どういった事業が採択されているのかを確認してみることです。
 
初公募の補助金でなければ、過去の公募の採択結果はだいたい見れるようになっています。
※今回の創業補助金の採択者リストは以下。
http://sogyo-shokei.jp/assets/files/sogyo/29sogyo_saitaku.pdf
 
だいたい、このリストには事業タイトルや簡単な概要が記載してあり、どういった事業なのかがわかるようになっています。
 
これを見ることで、公募する側(創業補助金であれば国)は、どういった事業を求めているのかがなんとなく見えてきます。
 
 
もちろん、事業計画がしっかりしている必要があることは言うまでもありませんが、それ以前にそもそもの事業内容が行けそうか否かを判断するためのヒントとして参考にしていただければと思います。

運転資金について知っておきたいこと(Vol.5) ~増加運転資金が会社を潰す?~

2017年7月9日
「運転資金について知っておきたいこと」シリーズ
「運転資金について知っておきたいこと(Vol.1) ~基本的な考え方~」
「運転資金について知っておきたいこと(Vol.2) ~業種別の運転資金その1~」
「運転資金について知っておきたいこと(Vol.3) ~業種別の運転資金その2~」
「運転資金について知っておきたいこと(Vol.4) ~事業に必要となる資金の計算方法~」
 
繰り返しになりますが、運転資金とは、売上と入金のタイミング、仕入れと販売のタイミングが違うために必要となる資金のことです。
 
計算式は以下の通り。
 
運転資金 = 売上債権 + 棚卸資産 – 仕入債務
 
売上債権・・・売掛金、受取手形等
棚卸資産・・・材料、仕掛品、製品、商品の在庫等
仕入債務・・・買掛金、支払手形等
 
 
今回は売上急成長で絶好調の時にこそ注意が必要な増加運転資金について書いてみたいと思います。
 
ちなみに私が過去に経営に失敗した時の理由の1つに、この増加運転資金についての理解が足りなかったことがあります。
 
売上がどんどん増えているということは、ビジネスが順調ということであり、売上の数字だけ見ていると、つい気が大きくなってしまいがちです。
 
 
しかし、通常、売上が増えると運転資金も増加します。
売上アップにより増える運転資金を増加運転資金と呼ぶのですが、この増加運転資金のことを考えずにむやみに売上アップに走ると資金繰りがショートします。
 
例えば、以前にも例に出した以下のような卸売業の会社があるとします。
月商:100万円
売上原価:70万円
商品在庫:50万円(在庫期間0.5か月)
売掛金:100万円(回収期間1か月)
買掛金:70万円(支払期間1か月)
 
この会社の運転資金は以下の通りです。
100万円(売上債権)+ 50万円(棚卸資産)- 70万円(買掛金) = 80万円
 
この会社が仮に売上が急に倍になったとしたら、運転資金は以下のようになります。
(売上金額以外の条件は一定とします)
 
200万円(売上債権)+ 100万円(棚卸資産)- 140万円(買掛金) = 160万円
 
 
この会社の場合、売上が倍になることで得られる粗利益は30万円アップの60万円です。
しかし、運転資金は80万円アップの160万円になります。
これは何を意味するかというと、利益のアップ分だけでは、運転資金を賄いきれないということです。
現預金に余力があればよいのですが、ギリギリで回しているとあっという間に資金ショートです。
売上が倍になったのにお金が足りないのです。
ですので、運転資金が必要な業種の方は特に、売上の急拡大にはご注意ください。
 
そうはいっても、せっかくビジネスが好調なのにブレーキをかけるのかというお話もあります。
 
そういう時に金融機関からの融資を活用するのです。
 
 
次回エントリーでは融資を受けながら事業拡大していくことについての説明をしたいと思います。

小さな会社が中国市場を開拓する方法

2017年7月5日
先日、宮城県よろず支援拠点と宮城県商工会連合会の主催で行った海外展開セミナーで、「小さな会社が中国市場を開拓する方法」というタイトルでお話しさせていただきました。
 
今回のエントリーでは、セミナーにお越しになれなかった方のために簡単にセミナー内容のご紹介をしたいと思います。
 
今回のテーマは日用品や食品といった一般消費財の販路開拓です。
中国で人気の商品としては、化粧品、健康・美容器具、食品(お菓子含む)、健康食品、乳幼児向け商品などが挙げられます。
キーワードは「肌に直接触れるもの」、それから「口に入れるもの」です。
このあたりから取扱い商品候補を考えられるとよいかと思います。
 
販路開拓のための手段として、以下の4つをご紹介しました。
◆展示会
出展には相応の費用と手間がかかるが、上手くやれば効率的に見込み客を開拓できる。
 
◆訪問営業
直接、現地の会社に連絡した上で訪問営業をする。個人的にはこれが一番費用対効果が高いと感じている。
 
◆インターネット
ネット上で商品をPRし、問い合わせに繋げる。最近流行りの越境ECもこの類型。
 
◆紹介
誰かからバイヤーを紹介してもらう。簡単そうに見えるが、まず紹介してくれる人がいることが前提。
 
 
それから、売りに行く前に考えるべきこととして、以下の4点を挙げました。
◆目的
何のために海外展開する?会社として取り組む意味、事業全体としての位置付は?
 
◆市場の状況
類似商品、競合、ラインナップ、価格帯、消費者嗜好に合うか
 
◆取引条件
輸送や保険の費用分担、納期、輸送方法、支払いタイミング。
海外取引は基本的に保険を活用することでノーリスクで行えるようにするべき。
契約書は事細かに決める必要がある。中国では契約書に明記されていないことは無いものとみなされる。また、日本の契約書にありがちな「誠意をもって協議する」といった文言は無意味。
 
◆事業計画
この事業をやることでどのくらい収益を見込むのか、いつまでに黒字化させるか、投資を回収するか、想定リスクとその対策。
 
 
また、最低限準備すべきものとして、以下の3点を挙げました。
◆会社案内
簡単でよい。会社の基本情報と主力取扱商品の紹介くらい。中国語版が望ましい。
 
◆商品資料
商品ごとの説明資料。こちらも中国語版が望ましい。
 
◆価格シート
取扱い商品の価格表。通常の国内卸価格、いわゆる工場出し価格だけでは、海外の相手は相手国の物流に明るくないため、取引の判断が難しい。
最低でも海外向け梱包をして、港や空港までの運賃も含んだ、いわゆるFOBの価格を提示すること。
 
その他に、商品PRの際の注意点、比較的低コストで行えるPR方法などの紹介を行いました。
 
 
以上、簡単にセミナーの内容のご紹介でした。
 
 
セミナー終了後、何人かの参加者の方とお話させていただきましたが、かなり具体的に中国への販路開拓を考えられている方もいらっしゃるようでした。
 
今回のセミナーでは正味20分程度の時間でお話したので、当日はだいぶ駆け足になってしまいましたが、今月下旬と再来月上旬に今回のセミナーの詳細版を行います。
 
7/29(土)「中国販路開拓のための4つの手段」
9/2(土)「中国人ビジネスパートナーの探し方と付き合い方」
 
時間はいずれも13時~15時です。
場所は宮城県よろず支援拠点上杉サテライト(宮城県仙台市青葉区上杉一丁目16番8号プロスペール本田3F)
定員は5名と少人数で行いますので、リラックスした雰囲気で、受講生同士の交流もできます。
参加費は無料です。
今回のセミナーを聞いていない方でも大丈夫ですし、どちらか片方の参加もOKですので、興味ある方はお気軽にお申込みください。
 
お申込みは宮城県よろず支援拠点のウェブサイトから申込み用紙をダウンロードし、FAXしていただくか、私まで直接ご連絡いただいても構いません。
 
参加お申込みをお待ちしております!